ヒト型化

ヒト型化

免疫の『2度なし現象』を利用するワクチン療法では、投与された病原体抗原に対し体内で抗体が作られ、体に侵入した病原体を駆逐します。抗体は、標的抗原に特異的に結合することによってその機能を阻害したり、免疫反応を増幅して異物や異常な細胞の除去を促進したりする働きをもっており、この特性に着目したのが抗体医薬品です。一般的には標的抗原をマウスなどの動物に免疫して抗体を作製しますが、動物抗体そのものをヒトに安全に投与することはできません。動物抗体のうち、抗原と結合する部分(相補性決定領域)をヒト抗体に遺伝子工学的に移植し、「ヒト型化」することで、はじめて投与可能となります。私たちのグループでは、抗体のアミノ酸配列と立体構造解析、in vitro機能評価や物性評価を通じて、ヒト生体に最適かつ望ましい薬効をもつ「ヒト型化」抗体を樹立し、抗体医薬品開発を進めています。

主幹研究員 坂本 佳正(さかもと よしまさ)mail

研究内容