膵がん

膵がん

がんとの闘いはその再発・転移の克服にあるといっても過言ではなく、そのニーズは近年のがん治療研究の進捗によってもいまだ充足されていません。なかでも、膵臓にできる腫瘍性病変の80-90%を占める膵管がんは、早期発見の難しさから発見時にはすでに転移性がんと診断されることが多く、消化器がんの中でもきわめて難治性の疾患とされています。私たちは、治療抵抗性の膵管がん細胞の分子生物学的・細胞生物学的理解を通じ、膵管がんの根治を目指した創薬活動を展開しています。これまでに、ヒト正常上皮細胞から分化段階や悪性度の違う膵管がん細胞を作製する技術(Cancer Res 2011;71:2541-9)を樹立することに成功し、実際の治療の状況を再現した新たな膵管がん再発動物モデルを確立しました。このモデルの解析を進めると同時に、アカデミアや臨床専門家とも共同して臨床膵管がんの本態の理解に挑戦し、これらを通じ、新たな創薬ターゲット・治療コンセプトの創出に貢献していきます。

研究内容