研究所長(CSO)メッセージ

研究所長(CSO)

 株式会社カン研究所は1997年4月、エーザイ株式会社の100%出資により設立され、2006年に国内最大級のバイオクラスターである神戸医療産業都市に移転してまいりました。2014年には同地区に新本社研究所を設立し、真にオリジナルなサイエンスからUnmet Medical Needs(いまだ充たされない医療上の必要性)を充足する新しい創薬コンセプトを創出するため、研究に邁進しています。患者様とそのご家族、生活者の皆様に貢献するhhc(human health care)企業でありつづけることが、エーザイ・ネットワーク企業の一員としてのカン研究所の使命です。

生体の設計図であるDNAから翻訳されたタンパク分子によって、細胞内小器官や細胞が構築され、その細胞は生物の最小単位として機能します。カン研究所では生きた細胞に着目し、生体機能の恒常性維持機構の理解のもと、疾患の成因や病態形成に関与する恒常性破綻に関わるメカニズムを突き止め、新規な治療法や創薬コンセプトを創出しています。神経変性疾患、がんの再発・転移、難治性免疫疾患の3つを重点研究領域として「創薬につながる統合細胞生物学(Integrative Cell Biology for Medicine)研究」を展開し、研究領域に多様性を持たせることで各々の領域における知見や技術を別の領域に活用、疾患の病態を新たな切り口から考察することが、カン研究所の特徴のひとつです。また『機能を可視化する研究プラットホーム』と『機能を定量する解析システム』を融合することで、革新的な生命科学研究を目指しています。
アカデミアをはじめとする社外との連携にも積極的に取り組み、最先端の知識・技術のインタラクティブなネットワークを構築します。分野や垣根を越えて多様な発想を持つ人々が集う「場」、生命現象や疾患の本質を追求する知の交流の「場」を構築し、医療に貢献いたします。

カン研究所ではこれからも、社員一人ひとりがサイエンスを通じた新しい創薬への挑戦への気概を持ち、患者様の想いや医療現場の実情の理解に努めながら、Unmet Medical Needsを充足するユニークな研究所として活動していきます。

引き続きのご理解とご支援をお願い申し上げます。


研究所長(CSO)
薬剤師 薬学博士
今井 俊夫

研究理念